いこまや通信No.8 1996年12月発行

農業あれこれシリーズ② 化学物質過敏症の原因物質「農薬と添加物」

ここ数年環境医学者の間で盛んに用いられるようになってきた言葉。

これまで大丈夫だと思われていた少量の薬物、毒物によって体に引き起こされる副作用の事を指している。

一般に「アレルギー体質患者」とも表現される。死ぬような病気ではないが非常に不快な思いで過ごしている人が急速に増加しています。

現れかたは皮膚、神経、眼、血管などに 複雑・多彩で人によって異なります。

アマゾン奥地の原住民には全くみられない、近代文明に特有の病。

厚生省の調査では日本人、4千万人以上がすでに何らかのアレルギー症状を持っていると報告されている。

この原因が農薬、食品添加物、その他の環境汚染物質で ある事は多くの動物実験からも明白であるが、国が設定した安全基準に合格した物を使っている以上、また症状の現れ方が人によって異なる為、原因物質との因果関係が特定できず関連行政は「非特異的症状」として無視しているのが現状。

しかも日本の残留農薬基準は厳しすぎると外国の圧力でさらに緩和の方向に傾いている事は先月号の通りです。

(参考文献 暮らしの安全白書)

霜月の回想

後、ひと月でお正月と言うのに余りの暖かさに冬という感覚がありません。

日本の四季 が確実に狂い出していると、福島県・喜多方市での和蔵会定例交流会でも話題になりました。

思い返せば今年は6月頃まで寒い日が多く田植えもかなり遅れたようで、平成5年の大凶作が生産者の頭を横切ったそうですが夏場の好天が幸いして各地とも平年作を確保したようです。

草花の成育や虫の様子を見て一年の天候を当てる経験豊かなお百姓さんでも 近年は全く予測不可能とこぼしています。

裏返せば今までの常識は通用しない不安定な世の中になっていると言う事です。

脅すようですがいつ大凶作がきてもおかしくないと言えるのですが、まあ取り合えず今年も主食の「米」は確保出来たようです。

米があれば酒も造れると言うことで、喜多方市郊外のわが国、最古の熊野神社長床にて「農と醸造」の奉納儀式をしてきたわけです。

大倉正之介氏の「大鼓」と日本人初のオートバイ世界チャンピオン片山敬済氏の「舞」はまさしく日本の伝統を守り続けるにふさわしく圧巻でした。

魂を揺さぶるような素晴らしい感動にひたらせて戴き本当に日本に生まれてよかったと思いました。

彼等の振舞う世界をうらやましくも思いますが、やはり住む世界が違うようです。

私の生きる道は「商売」と信じ、たとえ次元は違っても何らかの形で私も日本の伝統を守り、伝える仕事をしなければと感じました。

改めて「自然酒と伝統食」をご縁あるお客様に、生きる喜びの種まきをして行かなければと思った一泊二日の息抜き旅行でした。

※本記事は掲載当時の店主の主観および情勢に基づくため、掲載内容の正確性・信頼性・最新性を保証するものではございません。

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