農業あれこれシリーズ③ 「言葉だけが先行する、日本国有機農業の実態」
アメリカの著書「黄金の土」が日本で「有機農法」と題して出版された事により広く知 られるようになったこの言葉、以前より日本でも「日本有機農業研究会」なるものは結成 されていたのですが、その目指す所は農薬や化学肥料の多用でゆがめられた農業を自然の サイクルに戻そうという事が始まりで、それはひとつの社会運動であり、結果として出来 た有機農産物を売る事は目的でも動機でもなかったのです。
当時、有機農業を実践する農民は農協や行政の指導に反旗をひるがえす奇人、変人として扱われ大変な勇気が必要でこの先人たちは本当の「勇気農業者」でした。
しかし時は移り輸入自由化により安い農 産物が入って来ると、対抗上、前号にも書いた「ポストハーベスト農薬」との問題もからめ、農協などは「新鮮で安全こそが消費者ニーズである」との風潮をひろめた為、各産地は売らんが為にこぞって「有機農産物」を唱えるようになり、生産者の勝手な自主的判断 により「減農薬」「低農薬」との表示が氾濫したのです。
あたかも安全な有機農産物であるかのような印象は消費者からもソッポを向かれ、かくして日本農業は「優杞農業」に向かって進んでいるのです。
(参考文献山下惣一氏の農業辞典)
師走の回想
先生も走ると言う「師走」、正月が来るからって何にも慌てることはないと自分に言い聞かせているのにツイ、せわしなさを覚えます。
震災をきっかけに店を改装して二回目の お正月を迎えるのですが、慣れないとは言えお客様にご迷惑をおかけした反省点がたくさんありました。
そのひとつに、年末の野菜・加工品の予約表を作らなかった事です。
通信では予約してくださいと言いながら・・・本当に申し訳ありませんでした。
品切れをだす事はあてにして来てくださったお客様への信用を無くす事になり、商人失格でした。
今年は店の扱い品リストもチャンと作りますので、改めまして本年も宜しくお願い致します。
さて、私たち一家にとって、新年早々の大ニュースがあります。
それは日頃から私が信条としている、「何があってもいい、育てばいいんだよ」と言う、故、常岡一郎先生の言葉 です。
病気になり、震災にも会いましたが、すべて「天よりの手紙」と受け止め、つらい気持ちを切り替えて楽しく読むように心がける事でした。
いつも機会ある度に書いている事ですが、過日、朝日新聞の「震災と私-この2年」の手記募集にいつもの信念を書いて投稿しました所、暗い手記の多いなか、私の原稿は「とっても前向きな考え方」と評価され掲載が決まりました。
震災ではいまだに復帰すらかなわない人がたくさんいらっしやい ます、私のつたない手記が、被災された方々の心の支えになれば幸いです。
※本記事は掲載当時の店主の主観および情勢に基づくため、掲載内容の正確性・信頼性・最新性を保証するものではございません。
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