いこまや通信No.5 1996年9月発行

葉月の回想

先日、近郊農家の方との話で「無農薬米など絶対に無理です」と言われました。

要約すると、出来ない事はないが農薬をかけなければ収量があがらないとの事、収穫がなければ 生活にも響きます。

当然そこには質より量の問題になってきます。

たくさん作くれば国がすべて買い上げてくれた食管制度も問題でした。

農薬をどんどん使い収量さえあがればよいという農業政策はお百姓さんを「ぬるま湯」体質づけにしました。

免許制のもとで漫然と酒を売る酒屋のように「努力しない弊害」があらわれ始めました。

農薬の害で体調まで崩しながらも生活の為お金が大事と考えるお百姓さん、もっと気の毒なのは何も知らずに農薬づけのお米を食べている消費者です。

お米は大切な日本人の主食で生きていくうえで の一つの歯車です。昨今、食肉原料への抗生物質の多用や添加物はすっかり定着しこれがあたりまえの食生活になりましたが確実に自分達の住む地球を汚し、狂った歯車は人間の抵抗力をも弱めています。

0-157問題の集団発生はいい先例です。

農薬や化学肥料に 頼らない農業はちょうど人間が風邪をひいた時、薬でなおすのでなくまず風邪をひかない強い抵抗力のある体をつくろうと同じで農作物も「害虫や病原菌」を駆除するのでなく侵されても耐えられる強い生命力のある作物づくりをめざすことなのです。

無農薬栽培は一 朝一夕ではできませんが実現している所はあります。

人間だって体質を変えるのに7年は必要で大変な努力と忍耐がいります。

地球環境を守ろうと言うのではなくまず自分や家族 が健康で生きてゆくには生命力の強い食べ物をとる事が肝要です。

人間の思い上がりは人間にとって不必要なものを害虫とか病原菌といって嫌いますが彼らだって人類発生以前からいた自然界で必要な一員なのですから。

本記事は掲載当時の店主の主観および情勢に基づくため、掲載内容の正確性・信頼性・最新性を保証するものではございません。

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