いこまや通信No.6 1996年10月発行

はじめに

お陰さまで「伝統酒・食の店」としての再出発からはや一年がたとうとしています。

思いおこせば八年前の難病宣告を「自然療法」の実践で死の淵からよみがえり、食べ物の大切さそして感謝することの大切さを知り、サァーこれからと言う時に震災で店が壊れました、しかし震災は私達にとって「幸運な天よりの手紙」でした。

日頃の私達の思いを 見せられる店づくりをする絶好の機会でした。「食は命の根源」をテーマに普段、人間の食べ物として何があたりまえか、長い伝統と四季という風土に培われた日本人は「旬の味覚」を大切にする民族でした。

ところが最近の食生活の洋風化や化学技術の進歩が食べ物を年中工場で大量生産しめざましい医学、良薬の開発に比例するように病人が増え続けています。

昔は食品添加物も農薬もありませでした、食べ物でない化学薬品を摂取し続ける事が人間本来の抵抗力を弱めているのは明らかです。

これからも決してこだわるのでなく 生命力ある本物の食べ物をあたりまえのように扱っていきたいと思います。

長月の回想 

「燃やされるだけの運命でしかなかった震災の廃材を利用できた店づくりは私にとって本当に幸運でした。

去年の今頃は商売どころではなく毎日が大工や左官仕事の連続で必死でした。

お陰さまでこの経験は何をしても食っていけるだけの「つぶしのきく人間」になれたように思えます。

朽ち果てて潰れたのでなく震災で強制的に潰された古い日本家屋の自然木はとっても貴重なものでした。

当時、思いもつかなかったこの廃材利用を勧めてくれたのは和蔵会、片山雄介理事長でした。半信半疑で集めた廃材が見事に生き返ったのです。

早いものであれから一年、当時のドタバタぶりが昨日のように感じます。

人間は何が転機になるかわからないですね。

病気になりどん底まで落ち込んだ時、あなたと健康社の東城百合子先生に巡り合い、先生のご本を読む内に自然石を扱う和会のことを知りさっそく加盟を認めて頂き自分の最も求めていた商いができかけていた矢先の震災、これでまたどん底まで落ち込みかけましたが多くの人々に支えられ、比較的はやくに気持ちが切り替えられました。

病気になり、震災に遭遇した事に感謝していると言うと人は驚くのですが大切なのはしっかりと自分の信念を持つ事なのですね。

こんな小さな街の店屋を全国各地から見学に来られます。先日も観光バスで新名所のように乗りつけられ大喜びされました。

人間は尊敬できる友人をいかに多くしてるかで自身の価値がきまります。

商売も金だけでのつながりより、日頃の心のつながりを大切にしていきたいものです。

※本記事は掲載当時の店主の主観および情勢に基づくため、掲載内容の正確性・信頼性・最新性を保証するものではございません。

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